金福童の希望 日韓若者交流会報告
朝倉希実加
8月16日、ソウルのチョンテイル記念館で「金福童の希望」主催のもと、日韓若者交流会を開催しました。日本側からは7名の学生が、韓国側からは12名の学生が参加しました。
交流会ではまず「あんにょん・サヨナラ」という映画を一緒にみました。この映画は2005年に日韓共同で制作された靖国神社における韓国人合祀をめぐる問題をテーマにしたドキュメンタリー映画です。幼い頃に父親が日本軍に徴用され、その後90年代になってようやく父親が中国で亡くなったこと、そして靖国神社に合祀されていることを知った一人の韓国人女性による靖国神社合祀取り下げをめぐる闘いと、その中での日本人男性との交流を描いた作品です。現在私たちが靖国神社の問題というと、閣僚たちの参拝に対して韓国や中国が文句を言っているというように考えている人も少なくないと思います。しかし、映画をみて、本人の意志や遺族の意志を無視した形で合祀が行われており、この問題は単に国家をめぐる問題ではなく人をめぐる問題であること、この問題は決して過去の問題ではなく今も続く問題であることを感じました。また、韓国人と日本人との交流という点からは、これから真の日韓交流を目指していく上で非常に参考になるのではないかと思いました。
映画を観た後は、6人ほどのグループに分かれて日韓の学生で討論を行いました。討論の内容は、互いに「日韓関係」をどのように考えているのか、靖国神社参拝について日本人はどのように認識しているのか、韓国の学生たちは韓国社会で起きている社会問題についてどのように考えているのかなどについて映画の感想なども交えながら話し合いました。討論の中では互いに気になることを質問しながら、国家レベルの対話ではなく歴史的な文脈を踏まえた上で市民レベルでの対話が必要であることやどうしたら人権問題や社会問題に関心を持ってもらえるのだろうかということなどについて話し合いました。
討論の後には、みんなで一緒に食事をし、簡単なゲームなども一緒に行いながら交流を行いました。互いに立場は異なりますが、歴史に真摯に向き合い、これからの「日韓関係」を考えることができるようにこれからも交流を続け、連帯していけたらと思います。
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