キボタネは日本軍「慰安婦」問題を記憶・継承する活動をしていますが、被害者に直接会うことが叶わない世代が、何を、どのように、なぜ記憶し、継承しようとするのか。悩みながら活動しています。このたびの連続講座では、私たちと同じように、自身が直接体験していないことを記憶することの意味を考えながら活動している諸団体からお話を聞き、私たち自身の活動の参考にもしたいと考えています。戦時に自らがおこなったことを赤裸々に語った元日本軍兵士たちを記憶する運動、100年前に起きた関東大震災時の虐殺を記憶する運動が、若い世代によってどのように、何をめざしておこなわれているのか。そして、韓国では民主化運動の精神を引き継ぐ運動が法律に支えられて国家的におこなわれていることについても、お話を聞きます。
また、連続講座の皮切りとして、朴来群さんの著書『私たちには記憶すべきことがある』を翻訳された真鍋祐子さんにお話していただきます。本講座の総タイトルにも、真鍋さんの訳書のタイトルを使うことを許諾していただきました。この本に書かれていることが、私たちの記憶・継承運動に大きな示唆を与えてくれると考えるからです。
開催方法:ZOOMミーティングによるオンライン配信
※見逃した方のために後日配信を行います。期間は3月末日となります。
参加費
学生 ;無料
一般 ;各回1000円、4回通し券3600円
寄付者;各回800円、4回通し券3000円
※2022年10月以降の寄付者の方には別途クーポンをお送りします。
クーポンの利用法については、クーポン送付の際にご説明します。
寄付者の方でクーポンが届かない等の場合にはご連絡をよろしくお願いします。
お申込み
【全4回まとめ買い】
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【第4回】「私たちも継承者であろう!-Pa mana Rin Tay!-」
日時:2024年3月10日(日)19:00~21:00
<パマナ・リン・タヨ Pamana Rin Tayo(PART)>
第二次世界大戦中、フィリピンで性暴力の被害に遭った女性達の体験を伝える活動をおこなっている。「次世代が戦時性暴力の被害に遭わないように」というサバイバーの方々の思いと活動を受け継ぎたいと、2020年に設立した。団体名「パマナ・リン・タヨ」はフィリピン語で「私たちも継承者であろう」という意味。サバイバー団体Lila Pilipina(リラ・ピリピーナ)と連携しながら、ワークショップや共同のオンライン授業などを行っている。
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<終了>
【第1回】「私たちには記憶すべきことがある」
日時:2023年12月10日(日)19:00~21:00
真鍋祐子さん(東京大学東洋文化研究所・教授)
「犯罪が正当化された権力の歴史」を「人権の歴史」に書き換えるためには声を上げることが重要だと語りかける朴来群さん。その著書を翻訳した真鍋さんは、著者が想定する「私たち」が韓国人であっても、ここに披瀝される「記憶すべきこと」は日本の市民にとっても「記憶すべきこと」にほかならないと説く。なぜなのか。私たちは、なにを、なぜ、どのように記憶するべきなのか。本連続講座を開始するにあたり、若者たちの記憶・継承運動の道しるべとなるお話をしていただきます。
真鍋祐子さんプロフィール
1963年北九州市出身。奈良教育大学卒業後、筑波大学大学院修了。博士(社会学)。東京大学東洋文化研究所・教授。伝統的死生観という観点から韓国民主化運動史に取り組んできた。著書に『烈士の誕生―韓国の民衆運動における「恨」の力学』、『増補 光州事件で読む現代韓国』、『自閉症者の魂の軌跡-東アジアの「余白」を生きる』、訳書に『韓国人権紀行-私たちには記憶すべきことがある』(朴來群著)など。
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【第2回】「東アジアの平和と民主主義」
日時:2024年1月14日(日)19:00~21:00
李泳采(イ·ヨンチェ)さん(恵泉女学園大学教授)
<民主化運動記念事業会>
韓国民主主義発展の核心動力だった民主化運動精神を継承·発展させるために2001年国会で制定された民主化運動記念事業会法により設立された。事業会は国家記念日である6·10民主抗争記念式開催を含め民主化運動精神継承事業、民主化運動関連史料収集事業、国内外民主化運動および民主主義調査研究事業、民主市民教育事業など韓国社会民主主義発展のための多様な課題を遂行している。また、過去の人権蹂躙と国家暴力の現場だった対共分室を民主主義と人権の場である「民主人権記念館」として造成している。
李泳采さんプロフィール
韓国生まれ。恵泉女学園大学教授。早稲田大学客員研究員。新時代アジアピースアカデミー(NPA)コーディネーター代表、98年来日、専門は日韓・日朝 関係。日韓の市民団体の交流や、韓国語、韓国映画や映像を通して現代を語る市民講座の講師などを務める。日韓両国のメディアでも活発に評論を行っている。著書に 『韓流がつたえる現代韓国』(梨の木舎 2010)、『犠牲の死を問う』(梨の木舎 2013)、『アングリー ヤングボーターズ-韓国若者たちの戦略的な選択』(梨の木舎 2016年)、『いま、朝鮮半島は何を問いかけるのか-民衆の平和と市民の役割・責任』(彩流社 2019)など多数。
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【第3回】「不戦兵士を語り継ぐ会-不戦兵士と市民による不戦運動の軌跡と、その先の運動へ」
日時:2024年2月11日(日)19:00~21:00
遠藤美幸さん(神田外語大学・埼玉大学兼任講師)
<不戦兵士を語り継ぐ会>
1988年1月、アジア・太平洋戦争において侵略戦争に参戦した元陸海軍人らが、その戦場体験と戦争責任から「二度と戦争はしてはならない」と固く誓って、「不戦兵士の会」を創設した。1999年1月、戦後世代の会員が増える中で、戦場体験のない世代への継承を念頭に、「不戦兵士・市民の会」に改称した。昨今、不戦兵士のほとんどが鬼籍に入り、市民会員の高齢化も進行する中、閉会を検討したが、戦争がひたひたと忍び寄るような戦後最も危機的現状において、今こそ不戦兵士らが遺した言葉や活動の軌跡を世に問うことの意義が大きいとの結論に達し、2023年8月に不戦兵士の会の継承団体として「不戦兵士を語り継ぐ会」を立ち上げた。不戦兵士は次世代に何を伝えたかったのか。不戦兵士を語り継ぐ会は不戦兵士と次世代を繋ぐ役割をめざしている。
遠藤美幸さんプロフィール
1996年、慶應義塾大学経済学研究科後期博士課程単位収得退学。イギリス近代史、ビルマ戦史研究者。不戦兵士を語り継ぐ会(旧不戦兵士・市民の会)共同代表、日吉台地下壕保存の会運営委員、日本ミャンマー友好協会理事。2002年から元兵士の戦場体験を聴き続けている。著書に『「戦場体験」を受け継ぐということ─ビルマルートの拉孟全滅戦の生存者を尋ね歩いて』、『なぜ戦争体験を継承するのか─ポスト体験時代の歴史実践』(共著)、『悼むひと-元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』などがある。
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主催/問い合わせ先 希望のたね基金(キボタネ)
Mail:info@kibotane.org
電話 080-3418-0609
URL:www.kibotane.org
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