立命館大学非公認サークルOTONARISANによる
「終わらない戦争」自主上映会報告書
立命館大学非公認サークルOTONARISANはキボタネの若者助成金で助成金をいただき,自主上映会を開催しました。まず初めに,私たちのサークルが設立された経緯についてお話しします。
OTONARISANサークル設立メンバーは2019年の夏に立命館大学内で全学年,全学部生対象に募集された「国際平和交流セミナー」に参加したメンバーです。このセミナーで韓国・釜山とソウルを訪ね,日本の加害の歴史について学んだり,現地の学生と交流したりしました。
その旅程の一つで,私たちはナヌムの家に訪問し,イ・オクソンハルモニの証言を聞きました。亡骸が野犬に食べられるところを見たことや,戦後もなかなか祖国に戻れず被害がずっと続いていたという話を聞き,衝撃を受けた学生は少なくありませんでした。
そして日本軍「慰安婦」問題をもっと学習し,被害者が今でも苦しんでいるということを同世代の人に広めたいという思いを持った何人かのメンバーで集まってつくられたのがOTONARISANになります。
私たちは日本と韓国の間で起きている問題を考えるだけでなく,自分の身近にいる社会的なマイノリティーの方々が安心して集まれる誰も排除しない空間を作るためにこのサークルを作りました。
その最初の取り組みとして,OTONARISANでは映画「終わらない戦争」を上映しました。この映画では韓国以外にもたくさんの国の日本軍「慰安婦」問題の被害者が登場することから,日本軍「慰安婦」問題を被害者の立場から考えるきっかけになると考えました。
後半は大阪で毎月第1水曜日に開催されている水曜集会を主催している「関西ネットワーク」共同代表である方清子さんにお越し頂き,ご講演をしていただきました。講演会では金学順さんのカミングアウト以降,日本政府がどのような対応をしたのか,また日本政府に対し起こった被害者自身による#MeTooやそれに共感する#WithYouの運動についてお話いただきました。
そして関西ネットワークの活動の紹介と共に,2013年に当時の橋下大阪市長が行なった「慰安婦制度は必要だった」といういわゆる「橋下発言」がなぜ問題なのかというお話もしていただきました。最後にはこの日判決が出た伊藤詩織さんの判決やフラワーデモのお話もしていただき,現在も続くセクハラや性暴力を断ち切り,だれの尊厳も傷つけられない社会を目指して歩む必要があると参加者に訴えられていました。
初めての開催でしたが,22人の学生や教職員の方々にご来場いただきました。「被害者の声を初めて聞いた」,「日本政府の一言でハルモニを傷つけたということを知ることができた」というような感想をたくさんいただきました。 特に,被害を聞くこと自体初めてという方がたくさんいました。被害者から被害を聞いた後に,方さんから日本政府がこれまで被害者に対して行なった対応を聞いた参加者の中には,日本政府の対応に疑問を持つ方が多く見られました。また,韓国の留学生にもたくさん参加していただき,「日本にも運動があることを知らなかった」や「日本でもっともっとこういう企画をしてほしい」という声を聞くことができました。
「終わらない戦争」自主上映会は学生のみで企画・主催した上映会であったため,キボタネの「若者企画への支援」によって今回の企画は開催することができました。参加者だけでなく,主催したメンバーや方さんからも好評だったため,継続性を持って開催していきたいと思いました。また今回参加された学生の中には現役の高校生も何人か参加されていました。学生を中心として,この問題を同世代に広げる活動をこのサークルから広げていきたいと考えています。
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